白鳥鈴奈詩集

オリジナルの詩とショートストーリー・・・生きる喜び。愛の言葉。時の流れるままに

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2015-09-06 (Sun)  21:02

「魔法のかかったテーブルと椅子」

 「魔法のかかったテーブルと椅子」

 店はゴッホのひまわりのように
 エネルギッシュに情熱的に
 ごったかえしたある熱い夏の日

 たまたま同じテーブルになった君と
 互いに目を合わせた瞬間から恋人になるまで
 まわりくどい理由も時間も
 僕達には必要無かった


 幸せだった僕達のテーブルには
 一杯ずつの珈琲と
 笑いと幸せのご馳走でいつもいっぱいだった


 どこで仕入れたのか
 君は面白い話をよく
 僕に聞かせてくれた

 そんな時
 君の透き通る柔らかな髪と笑顔は
 夏の意地悪な日差しさえも
 優しい木洩れ日さえも
 キラキラとはね返していた

 君と僕はとにかくよく笑った

 この店のこのテーブルの椅子は
 座った恋人たちに
 幸せな時間を与えてくれる
 そんな魔法のかかった椅子だと
 僕たちは信じていた


 ただ1つ知らなかったのは
 魔法は時間とともに
 座った回数ごとに
 減っていくということ


 魔法のすっかり消えてしまったテーブルでは
 互いを悲しませる言葉だけが
 激しくテーブルの上をピンポンのように
 何度も互いをいったりきたり
 そして重く沈み消えていった

 そんなテーブルに座るのを
 いつしか僕達は
 敬遠するようになっていた


 以前
 テーブルは親身に聞いていてくれた
 僕たちの真実の愛の語らいを
 椅子も感じてくれていた
 僕達の熱いぬくもりを

 だのに今あるのは

 冷えきった固い

 誰もいない

 ただのテーブル

 ただの椅子

 ただそれだけ・・・

  白鳥鈴奈

・・・・・・・・・・・
以前、MIDIを聞いてその曲からイメージして詩を作るのが好きでその時に作った詩です。
聞いていて胸にせつなさがせまってくる曲でした。


最終更新日 : 2019-08-08