白鳥鈴奈詩集

オリジナルの詩とショートストーリー・・・生きる喜び。愛の言葉。時の流れるままに

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2015-08-28 (Fri)  16:30

「今朝見た朝顔のような・詩人」

「今朝見た朝顔のような・詩人」

 太陽が重く沈みはじめた夏の終わり

 風鈴の音だけがしつこく鳴り響き

 うだる夏の暑さに耐え抜いた草花たちが
 けだるそうに左右に揺れている

 私はソファーにゆったり座り
 中原中也の詩集を読んでいた

 そばで寝ている愛犬たちは
 私が声をだして読むのを
 お経でも聞くように聞き流して
 安心して丸まって寝ていた


 やや難解で高尚な詩なので
 私の目は同じ行を上下に
 何度か移動したりもした

 突如、私は驚いた
 
 読むそばからすぐには
 理解もしていないのに

 彼の深い悲しみの心が
 私の心にすっと忍び込み
 涙がほほにあふれてきたのだ


 生きた時間はこうも短くも
 悩み苦しみ考え希望を持ち
 情熱を熱くたぎらせ
 多くの心を残していった詩人

 ツルはやせ細り
 葉の多くが黄色くなり
 もう種ばかりになって

 それでもまだわずかに
 凛と花を咲かせている
 今朝見た朝顔のように思えた

 2015.8.28 白鳥鈴奈


最終更新日 : 2019-08-08