白鳥鈴奈詩集

オリジナルの詩とショートストーリー・・・生きる喜び。愛の言葉。時の流れるままに

Top Page › ポエム › 「ゆず湯」
2012-12-16 (Sun)  23:51

「ゆず湯」

「ゆず湯」


台所にゆずがありました


お漬物に使って

黄色い皮の表面をところどころ

白く削られたゆずがありました


他の料理に使おうと

台の上にほったらかしにされていた

可哀そうなゆずがありました


ちょっぴりしわになって

香りも弱くなった

みすぼらしいゆずがありました


次の使い道を考えているうちに

しぼなえてしまいそうなので

ゆず湯にされることになりました


お風呂に入ると

夫がタオルにくるんだゆずが

お湯にぷかぷか浮いていました


少しでも香りをだそうと

タオルを何度も

両手でぎゅっとされました


しばらくして

ゆずの実の一部が水面に

浮いていました


くるまれていた

タオルの結び目が

大きくほどけていました


種は小さいくせに重いので

お湯の一番下に

じっと沈んでいました


手でつかもうとすると

ふわっとお湯に浮いて

なかなかつかめません


金魚すくいのように

うまくすくえそうで

するっと逃げたりしました


すくい上げても

すくい上げても

種はまだ底にありました



すくい上げた種を

並べて数えたら

21個ありました


ゆずもお風呂が大好きで

いっぱいお湯に

入っていたかったのかもしれません

最終更新日 : 2015-08-04

Comment







管理者にだけ表示を許可